古本屋で実は面白いもの───それは壁です。当店は街中にあるためか、時々飛び込みでポスター掲示のご依頼があったりするのですが、多くの場合お断りせざるを得ません。何故かと言いますと、壁までびっしり商品に埋め尽くされていて、ほとんど隙間がないからです。この店の壁に貼ってあるものは、古物好きが"紙モノ"と呼ぶものです。紙モノとは、平たく言いますと紙一枚の印刷物のことで、地図・絵葉書を顔として、ラベル・切符・包装紙・チラシ・メンコ等々、手足が無数にある古きものです。本日はアカデミイ書店の壁をご案内いたします。まずは入口から。壁は大きなコルクボードになっていて、早速貼る気が漲っています。現在はこのように、番付がたくさんあります。番付の文字は相撲字とも呼ばれる独特のフォントで、外国の方にもお土産品として喜ばれそうですね。江戸時代から始まったとされる番付ブームにより、力士から遊女、料理、方言まで様々なものが番付化されていますので、お出掛け先で珍しい番付を探すのも楽しいかもしれません。二階へ上がってみましょう。階段には、あき書房さんの復刻地図がたくさん陳列されています。あき書房さんは映画『この世界の片隅に』にもお名前が載った広島の古本屋さんで、広島県内の珍しい古地図の復刻に精力的に取り組んでおられます。広島では多くの戦前地図が焼失してしまい、状態の良い戦前の市街地図は高価になりやすいので、このように定価で購入できる復刻品は大変ありがたい存在です。こちらの地図は見本品で、番号を二階の店員にお申し付けくだされば、新品をお出しいたします。こちらは富士山の写真です。今年生誕130年を迎えた岡田紅陽は生涯を富士山の撮影に捧げた写真家で、岡田紅陽が撮影した「湖畔の春」という作品の富士山は、旧千円札裏面の富士山のモデルになりました。旧五千円札、五十銭札、郵便切手二十余種類にも紅陽の写真が採用されています。階段を上がって右側には、かなり力を入れている壁があります。古い絵葉書、地図、パンフレット───今にも広島弁が聞こえてきそうな、郷土色の強い壁です。朝な夕なに当店店長が一所懸命値付けしております。古い絵葉書や地図を手にお散歩をするのも楽しそうですね。二階を進んで行きますと復刻の時刻表や、映画のチラシなどがあります。アカデミイ書店の壁めぐりはいかがでしたか。棚はもちろん、壁もたのしい古本屋!当店だけでなく、ご近所の古本屋さんでも是非ご注目ください。金座街店